2009年08月19日

ゲームミュージックにおける盗用について

「スーパーロボット大戦K」楽曲使用に関するお詫びとお知らせ(バンダイナムコゲームス)

詳しくはリンク先を見て頂くとして。
こんな話で記事を書くことになろうとは……実に残念です。

twitterの方にも書きましたが、これは現場の人間が知ってた上でやった「犯行」です。非常に悪質であると言わざるを得ません。何がきっかけだったのかはわかりませんが、相応の産みの苦しみを経てひとつのゲームに捧げられた音楽を別のゲームに盗用するとは、見下げ果てた行為です。
元のゲーム、元の音楽に対してのみならず、ゲームミュージックというジャンルそのものに対するこの上ない侮辱であり、クリエイターとして最低の行為です。絶対に許せません。もし可能であるならば、盗用を行なったコンポーザーを業界から永久追放してほしいくらいです。

……まあ、ここで私がどれだけ怒り狂おうとも、すでに起きてしまったことに対してはどうすることもできないわけですけどね。もう何というか、腹が立ってしかたがないもので。

もっとも、ゲームミュージックのみならず、他ジャンルの音楽でも盗用とまではいかなくとも似たフレーズの曲というのは世の中にごまんとあるわけでして。今回の「事件」だけをあげつらってどうこう言っても意味はないのかもしれません。ただ、とあるゲームのひとつのシーンに捧げられた音楽を、他のゲームのシーンにそのまま使い回すという厚顔無恥ぶりには、単なる「似ている曲」という枠を超えた悪質さを感じてしまうのです。

いったい、今回の件の「実行犯」はゲームミュージックを何だと思っているのでしょう。あまたのコンポーザーがゲームの中の1シーンにふさわしい音楽を生み出すために心血を注ぎ骨身を削っているというのに、のうのうと過去の楽曲を盗用して済まそうとした、その心根が許せません。ゲームとは違うジャンルでやるのならまだしも(それでも褒められたことじゃありませんが)、同じゲームという土俵の上で図々しくも他人のふんどしで相撲を取るような真似をするとは……。全く、この「実行犯」のコンポーザーにはプライドというものがないんでしょうか。テレビの番組でBGMとして使ったりするのとは訳が違うことくらい、わからなかったんでしょうか。

……はあ、結局怒りのコメントにしかなりませんな(苦笑)。

ところで、上のリンク先の謝罪文で
「今後はこのようなことのないよう、開発作業においてより厳格な管理・監督に努めてまいります。」
という文言がありましたけど、こういう盗用は、管理や監督でどうにかなるものではないです。サウンドディレクターやプロデューサーが古今東西すべてのゲームミュージックに精通しているなんてことはそうそうあり得ないのですから。「この曲のこのフレーズは○○のゲームの××という曲に似ているから没!」なんてことは、まず無理な話でしょう(笑)。

そうすると、どうしても過去の作品と似たフレーズの曲というのはいつかは生まれてしまう可能性があるわけです。どこまでが「似ている」でどこからが「盗用」なのか、という判断は難しいところですが、明らかな盗用は実行犯が知ってて行なうわけですから、結局盗用を防ぐのはコンポーザー各位のモラルとプライドしかないということになります。
もちろん、大多数のコンポーザーの方々はこのようなことは当たり前に理解してらっしゃるとは思うんですが……。

全く、こんな嘆かわしい事件はこれっきりにしてもらいたいもんです。
posted by まれいん at 22:51| Comment(6) | TrackBack(1) | 話題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
突然のコメント失礼致します。
失礼ながら、相互リンクしていただきたくて、コメントさせていただきました。
http://sirube-note.com/game/

もしよろしければ、こちらのページから相互リンク登録していただけましたら幸いです。
http://sirube-note.com/game/link/register/
今後ともよろしくお願い致します。
HbwBAuBW
Posted by sirube at 2009年08月20日 09:56
この作曲者は、以前にも18禁ゲームの音楽を盗用してますし、(公式に謝罪してる)
1度のみならず2度目ですからねぇ。

それに、今回のケースでは他にもWARCRAFTの曲もパクってますな。
公式には出てませんが。


まぁ、開発費安くしたい開発と
無能だけど仕事が欲しい自称作曲者の思惑一致した結果じゃないすかね。
Posted by EDGE at 2009年08月25日 06:54
>EDGEさん
情報ありがとうございました。
私もその後いろいろ調べまして、この「犯人」の盗用歴を知りました。
何というか、開いた口がふさがらないとはこのことですね。ゲームミュージックとかに関わらず、音楽家としてのプライドを問いたいです。それとも、初めからそんなものは持ち合わせていなかったんでしょうか。

バンダイナムコという大手の作品ですから、デベロッパー側まで関与していたとは思いたくないですが……今となっては真相は闇の中です。

記事にも書いたように、この手の盗用はデベロッパー側のチェックにも限界がありますから、楽曲のオリジナリティという点においてはコンポーザーをある程度信じざるを得ない部分があると思います。それだけに、今後どこかでまた起きる可能性もあるわけで、ある意味難しい問題とも言えます。

私としては、こんな腹立たしい事件は二度と起きてほしくないのですけどね。
Posted by まれいん at 2009年08月25日 20:47
今頃記事に気づきました…亀レスですんません。(^^;)

掲題の件、はじめは私も「何やってんだこいつ」と思いましたが、知り合いのあるコンポーザの日記&コメントで興味深いことが書かれていたので、かいつまんで書きたいと思います。(誰の話なのかは伏せさせてください…ただ、一人ではなく結構色んな方から似たような話を伺ってます)

簡単に書くと「これは実際のところ(結果的に)メーカー主導でこういう事が発生したような気がする。 本当に律するべきなのはメーカー側なのではないか?」ということです。

メーカーが作曲家にゲームミュージックの発注を行う場合、よくあるのが「○○のゲームの音楽っぽいのを作ってください」というオーダーだそうです。 もっと具体的に「○○の××という曲みたいなの」という依頼が来ることもあるとか。

更に、同じだと色々マズいのでわざわざ原曲と異なるように変化をつけるわけですが、実際クライアントにその曲を提示すると「ここの部分が××(曲名)っぽくない」という返答が来る場合もあるとか。 こんな事が繰り返されると、そのうち作曲家のほうがキレて「じゃぁコレならいいんですか!!」という感じで最終的には原曲(=パクリ元)とほぼ同じ楽曲が出来上がる…という事もあったりするようです。


以下は私の推測です。(事実かどうかはわかりません)

今回の件で、パクリをやらかした作曲家は以前も同様の事件を起こしているそうですが、クライアントはソレを知ってて敢えて雇ったのでは?という気がしています。 つまり「××という曲っぽいのを作って」というオーダーに対して良い仕事をする(=パロディがうまい)作曲家ということで仕事を与えていたのでは?と。 ただ、それが度を過ぎていた為に、作曲者のほうがキレたかメンドウになったかで、既存曲をそのまま引っ張ってきたのかな…と。(もちろん、故意に他人の曲をそのまんま引っ張ってきて自分の曲だと言い張ってたのならその作曲家も悪質ですが)


過去に似たようなことがあったような?…と思い出したのが、pop'n musicの新堂何某という方のパクり疑惑でした。 当時、検証サイトを見たところ、確かにまんま引っ張ってきたような歌詞があまりに多くて「やり過ぎかもなぁ」とは思ったんですけど、元々pop'n musicというゲームの性格上、特に稼動当初は「どこかで聴いたことあるようなジャンルのわかりやすい音楽」が多かった気がします。 なので、最初に氏の曲を聴いた時から「あー、岡村靖幸っぽいなー」と思ってましたが、それはあくまで「パロディ」という意識で聴いてました。 多分、これはメーカーが意図してこういう曲を作らせてるな、と。

個人的にはパロディというのは全然アリだと思ってますが、度が過ぎて限りなくパクりに近いものばかりになってしまうと、メーカーが製品として出す、もしくはアーティストが自身の作品として発表する以上は、「オリジナルとそうで無いものの」線引きも必要になってしまうのかなぁ、という気もします。

…ていうか、パロディだとしても、作曲者が認めて引用している「敬意あるリスペクト」はセーフだけど、実際はパクりなのに「これは自分のオリジナルだ」と言い張っちゃう「不敬なパクり」はダメかなぁ…と思います、個人的には。
Posted by Wiz. at 2009年11月18日 21:38
パクり疑惑で思い出したんですが、当時知人とかの一部で話題になった「ダークシール(DECO)のサントラに入ってるアレンジ(イメージ曲?)とティンクルスタースプライツ(ADK)のある曲がほとんど同じ」ってのがありました。

結局、パクりなのか同一作曲者による流用なのか、真相を知らないのですが…どうなんだろ?? 実際に聴いた感じ、どう考えても似ているというレベルではないので、何らかの意図があったんだとは思うんですが…
Posted by Wiz. at 2009年11月18日 21:47
>Wiz.さん
コメントありがとうございました。
遅レスですみません。

うーむ……メーカー側でそういう発注が常態化しているとなると、由々しき問題ですね。(結果として)パクリを助長するだけでなく、ゲームミュージックの没個性化をも招く原因となるわけですから。
それに何より、コンポーザーの個性を無視しているという意味で失礼な状況だと思います。

今回の件、「真犯人」捜しをしても詮無い話ですので深く追求はしませんが、Wiz.さんのおっしゃる通りであるとしたら、一番求められるのはメーカー、というか開発現場のセンスとモラルということになりそうですね。とりわけ、「サウンドディレクター」と呼ばれる人たちの責任は、発注形式が主流になったゲームミュージックにおいて非常に重大なのではないかと思います。
Posted by まれいん at 2009年11月23日 15:35
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Tracked: 2009-08-20 04:34
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