2007年02月01日

「初回特典にサントラ」問題をもう少しだけ考えてみる

前回の記事を、ゲームミュージックなブログ・Ver.FC2さんが「何故、初回特典にはゲームサントラが多いのか(前編)」「同(後編)」という記事で取り上げて下さいました。
なぜ初回特典にサントラなのか、そもそもなぜ初回限定という手法が存在するのか等々についてとてもわかりやすく解説して下さっています。どうもありがとうございました。

さて、その記事の中で非常に痛いところを突かれた部分がありました。
それは「出るはずのなかったサントラを、初回限定版としてつけている」というくだりで、これには正直ぐぅの音も出ませんでした。それを言わてしまうと、初回特典サントラも正当化されるべきだと言わざるを得ません。こと美少女ゲーム系に関しては、「独り言以外の何か」さんも「サントラがつけば良い方だ」とおっしゃっています。
また、「(;゚ Д゚) …?!」さんがおっしゃるように、「メーカーの利益を考えると付けた方がいい」というのも理解できます。

ですが、これは裏を返せば、ゲームミュージックはCD単体でリリースしても採算がとるのが難しい(ゆえにサントラが単体売りされない)という実情を表しているとも言えます。この実情があるからこそ、初回版の売り上げを伸ばすための特典アイテムとしてサントラが“利用”されているわけです。

ならば、逆にゲームのサントラが単体で採算のとれる商品として成り立つ販売方法が存在するならば、少なくとも初回特典としてサントラが使われることはなくなるのではないでしょうか。ゲームはゲーム、サントラはサントラで売り上げが出るのなら、それらをわざわざ抱き合わせで売る必要がなくなるのですから。
(どっちの売り方の方がより利ざやが稼げるのか、詳しい事情を知らないのでここではあえて無視します。詳しい方、ご指摘下さい)

例えば、iTunes StoreのようなダウンロードサービスやEGG MUSICのような音楽配信サイトでサントラを発売するというのもひとつの手です。CDを焼く工数や在庫管理の手間が省ける分低コストで済むので、採算も取りやすくなるでしょう。
ネット経由での小口決済方法が確立されれば、メーカーのサイトで直接ダウンロードできるようにしてもいいかもしれません。
このご時世、ネットを通じてオンデマンドでデータを販売する方法はいくらでも考えられます。準備に手間はかかるでしょうが、潜在的需要は決して少なくないと思うので、メーカー各位の工夫と努力に期待したいところです。

……もっとも、メーカー側にとってサントラが初回特典として“おいしい”手段であるという考え方がなくならない限り、そうした展開も望みは薄いのですけどね。

ゲームミュージックはそれだけでも商品としての価値がある、という認識がもっと大きく広がってほしいものです。


posted by まれいん at 23:35| Comment(7) | TrackBack(0) | 話題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントいただきありがとうございます。

いろいろな方の反応を見て思ったことですが、わりと初回限定版OKの方が多いですね。

そこで思ったのが、やはり我々みたいなGMヘビーユーザーにとっては、(製品版を高確率で買うので)確実に入手できる製品版を望みますが、必ずしも買うわけではない方は、やはり初回限定でもついていた方が手に入らないものがついてくる分嬉しいのかなと思いました。

あと、まれいんさんが書かれたのは、コンシューマ版ソフトの場合ですが、ソフトに同梱できる上、初回限定版しか出ないものが多いPCゲームソフト(主にアダルトですが)だと、入手難易度の面から状況が違ってくるのかもしれませんね。(コンシューマソフトの限定CDは入手がムズイですし)

 最近は、iTunes Musicの音楽もぼちぼち増えているようですし、少し期待してます。
Posted by 中杜カズサ at 2007年02月02日 20:39
うーん、確かに出ないよりは出た方が・・・
でも、初回限定だけでより、
データだけの販売より、
触って確かめられる音楽CDが欲しいと
思う私です。単に私が独占欲が強いのかナー

最終手段は昔ながらのLINE入力で何かに
(今ならPC)録音という手もありますが。
Posted by ポリ吉 at 2007年02月02日 22:46
>中杜カズサさん
こちらこそ、今回の件ではトラックバックやコメント、どうもありがとうございます。

私もいろいろ反応を見て回ったのですが、今回の話題にはPCゲーマー、特に美少女ゲーム系の方々の声が多かったですね。
おっしゃるとおり、コンシューマ系とはかなり状況が違う(単体でサントラが出にくい等)ようですので、一概にくくるのは難しい話題だったのかもしれません。

ただ、共通して浮かび上がってきたのは「ゲームミュージックのサントラは商売になりにくい」という点です。この難点が解消されていかない限り、ゲームミュージックを単体でも楽しみたいというファンの渇きはこれからも続くのでしょうね。
私もiTunes等のネット配信による状況打開を期待しています。

という一方で……

>ポリ吉さん
製品としてのCDを実際に手にしたいというお気持ちはよーくわかります。私も正直に言えばその方がよっぽどうれしいです。

ですが、ただでさえCDの流通量が減少しているとか言われている昨今、物理的な形式に期待するのはそろそろ限界なのではないか、とも思うのです。
形のないデータであっても、聴けないよりは聴けた方がまだマシではないかと、妥協せざるを得ない状況が今後増えてくるかもしれません。

それでも、自分で生録りは最後の手段にしたいですけどね……(苦笑)
Posted by まれいん at 2007年02月03日 00:20
難しいところではあると思うんですが、最近はゲームをやる暇が無い(というかゲーム以外の趣味に裂く時間が増えてしまった)立場としては、「ゲームと抱き合わせだと高いなぁ」というのが正直なところではあります。

もちろん、ゲームミュージックはゲームあってのもの、というスタンスが基本なので、ゲームプレイしたほうが魅力が5割増なのは確実なんですけど、「ゲームはプレイする暇が無いけど、ゲームミュージックだけは楽しみたい」というニーズは少なからずあると思うんですよね。 例えば、コンポーザが好みの作者であったりとか、使用音源自体で惹かれるものがあるとか。(<これはマニアの意見ですよね…きっと^^;)

そういう価値基準となると、ゲームと抱き合わせとなると、「やっぱり(CDを購入する価格という基準では)高いよねぇ」となってしまうのが本音ではあります。

きっと、そういうマニア層も狙って、メーカーとしては「初回特典にCDをつけます」なんでしょうが…本音を言えば「単体でサントラ出してよ〜」ってところでしょうか。(^^;)

ちなみに、近年はバブルが弾けて元々CDが売れない時代ですが、以前サイトロンでお仕事をさせて戴いたときにたまたま見てしまった資料で、某ゲームのサントラの初回発注枚数ってのがあったんですが、その枚数は1,000枚未満だったんですよ。 すなわち、ゲームミュージックって、今はそれくらいしか売れてないってことなんだと思います。(むしろ、この枚数であれば、インディーズのCDのほうが今は売れるんじゃないでしょうか? 恐らくプレスも1,000枚単位でしょうし) となると、単体では売れないので、ゲームの初回特典としてゲーム自体の本数を稼いだほうがマシ…ってことなんでしょうね、きっと。

ゲーム「ミュージック」のファンとしては悲しいことですが、ゲームミュージックのファン層は、思ったよりも少ないのかもしれません。(むしろ、昔のほうが多かったはずなので、そういう意味でセールス的なところを狙って昔のゲームのサントラを出したりするのかも、と思う今日この頃です)
Posted by Wiz. at 2007年02月06日 22:34
>Wiz.さん
初回発注枚数の数字は、リアルな説得力がありますね。1,000枚未満ですか……。
もっとも、その辺りはゲームのタイトルにもよるかと思います。メジャーなタイトルであれば、今でも相応に売れているようですし。
とはいえ、ゲームミュージックの需要は我々が思うほど多くはないということなのでしょう。

となると、やはり「ゲームミュージックは単体では商品にならない」という認識が問題の根幹となっているようですね。
単体では扱えなくても販促の道具としては有効となれば、「初回特典にサントラ」の傾向は容易には無くならないように思えます。

ここはひとつ、少量の需要でも利益を上げられるような音楽配信の仕組みを模索していくしかないでしょう。そこで、ゲームミュージックが単体でも商品として価値があるということを示すしかないかと。
とはいえ、メーカー側にいるわけでもない人間がこんなこと言ったって机上の空論でしかないのですけどね……。
「iTunesで○○というゲームミュージックが××回売れて△△円利益が出た」とかいうデータが業界内で出回ったりとかしないんでしょうか。そういうデータがあれば、何らかの弾みになると思うのですが。

それと、今より昔の方がゲームミュージックのファンが多かったんじゃないか、というのは実に痛い話です。
昔に比べたらリリースされるゲームの数は段違いに多いのに、逆にファンの数が減っているとしたら……その理由は、考えるまでもないことです。
具体的な数字があるわけではないので推測にしかなりませんが、ここ数年続いているリバイバルの傾向はそれを裏付けているのかもしれません。
この問題への対策は……どうすりゃいいんでしょうね(苦笑)。
Posted by まれいん at 2007年02月07日 01:34
うーむご無沙汰です(;´Д`)
また色々と盛り上がってるようですねー、素晴らしい! 励みになります。
及ばすながらも、ちょっとだけ参加してみます〜。

ttp://www.moe-cd.com/p01.htm
↑同人CD作成時のプレス料金(仮)です。

最近の同人CDを見ると、大手レコード会社のものと比べても、紙質・ビニールのピチピチ具合(?)あたりで微妙〜に劣るのかもしれませんが、他はほぼ遜色ない出来栄えです。プレスとか超綺麗です。よって、大手とも料金的にほぼ変わらないのでは無いか?と勝手に思っています。
1枚単価100円〜300円程度でほぼ間違いないでしょう。

たとえば、作曲者の方が自主的にこれらの手段でCDを出すとかいうのはどうですか?(仮)

具体的な数字の一つとして、何か考察のお役に立てれば幸いですっ!
では!ノシ
Posted by poti at 2007年02月09日 06:17
>potiさん
お久しぶりです(^^)
同人CDのプレス料金、拝見しました。案外安いものなんですね。
これなら、ペラ紙のジャケットをつけて500枚作って通販限定にすれば、送料込みでも……1,000円で売れば充分ペイできそうな気がします。どれくらい儲けが出るかは微妙ですが、損はなさそうです。

こういうお商売は応用が効きそうですね。
たとえば、メーカーからサントラの音楽データを預かって、お客さんからの注文に応じてプレスして販売する、というのはどうでしょう。売り上げを折半すればメーカーも利益を出せますから、悪くない商売にできるかもしれません。

ただ、日本では「著作者」と「著作権者」が往々ににして違う場合がありますから、こういったことを作曲者が直接行なうのは難しい場合もありそうです。

ともあれ、需要の少なさを逆手に取って、安価にサントラCDを出す方法はまだまだありそうですね。
有意義な情報、ありがとうございました。
Posted by まれいん at 2007年02月09日 23:34
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