2007年03月15日

投稿動画とゲームミュージックのやや不幸な関係

私はあまり見たことがないのでよく知らないのですが、最近はYouTubeなどの動画投稿サイトに(主に海外で行われた)ゲームミュージックのコンサートやライブ演奏の映像がたくさん投稿されているそうですね。
ゲームミュージックファンではない一般の方たちがそういった動画を見て「やっぱり○○の曲はいいなぁ」などと称賛しているのを、ブログなどで見かけることがよくあります。

そういう声を聞いていると、やはりゲームミュージックには潜在的な需要があるんだなと思ったりもするのですが、はたしてそういった需要がどれだけ作曲者に還元されるのだろうか、ということを考えると、かなり絶望的な気分にもなったりするのです。

実際のところ、「この曲のこの演奏は素晴らしい」とか言ってその動画が何千回と視聴されたところで、その曲を作った作曲者には一銭も入らないわけですよね。
で、もしそのコンサートなりライブなりをアルバム化したとして、投稿動画とかで見た一般の人がそのアルバムを買うかというと、多分買わないと思うわけです。

ただで鑑賞できる分には喜ぶけど、お金出して聴くほどのものじゃない。
それが、コンテンツとしてのゲームミュージックの現状なのでしょう。

もしこれがポップス歌手のコンサートの映像だったりPVだったりしたら、たちどころに権利者から削除要求が出るところなのに、ゲームミュージックについては全くの野放し状態のようです。
同じだけ苦労して作られた音楽なのに、こんなに扱いが違っていいものなんでしょうか。
というか、ゲームミュージックの権利関係ってどうなってるんでしょう。うわさに聞くところでは、どうやら作曲者の方々はおいてけぼりになっているような様子らしいのですが、どうなんでしょう?

権利関係といえば、先日マイクロソフトがゲームミュージックのライセンス管理に動き始めたという記事がありました。これが実際に機能するようになったら、Haloの曲を演奏した投稿動画に削除要求とかが出るようになるんでしょうかね。
(この記事や権利関係については、ゲームミュージックなブログ・Ver.FC2さんが詳しい記事を書いてらっしゃるので、ぜひご覧下さい)

先日記事にした「初回特典にサントラ」の件でも触れましたが、ゲームミュージックは他のジャンルの曲と同等以上に工夫して作られた音楽であるのに、コンテンツとしての商品価値は未だにほとんど認識されていないように思えてなりません。
需要はそれなりにあるはずなのに、それをビジネスとして掘り起こせていない。ビジネスにならないから作曲者にもお金が入らない。、なのにネットではタダで視聴できるゲームミュージックが流れ放題……。あまりにもったいない。これじゃ、ゲームミュージックの業界自体がやせ細る一方です。

じゃあ、どうすればいいのか……といっても、権利関係とかの難しいところは全くの門外漢なので、どうしたらいいのか具体的なことは何も言えません。ですが、少なくともゲームミュージックを創っているコンポーザーの方々が正当に報われるような仕組みができたらいいな、と思います。

投稿動画でゲームミュージックを楽しんでおられる方々には、できたらその興味をオリジナルのサントラなどを買ったりする方にも振り向けてもらいたいものです。
そうして潜在的な需要が顕在化すれば、市場が活性化してゲームミュージックの商品価値も高まって、ゲームミュージックがもっと発展していく(=良い作品が生まれる)ことに繋がっていくのではないでしょうか。
posted by まれいん at 02:16| Comment(8) | TrackBack(0) | 話題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
はじめまして、ゲームミュージックの情報収集とかしてるサイトないかなとか思ってきました。

投稿動画に関してですが立場を変えればどのファンの人も同じ苦悩を感じているかと思います。
一般の音楽リスナーの方が買ってる人も多く音楽番組など聴ける機会も多く削除しても
次から次へと動画がアップされています。悲しいことかもしれませんが一般の方がいくらゲームミュージックを賞賛していても、またまれいんさんの様なゲームミュージックファンの方が一般の音楽を賞賛していても内心は記事にもあるように

>ただで鑑賞できる分には喜ぶけど、お金出して聴くほどのものじゃない。

という程度の認識なんだと思います。もちろんソウじゃない方だって居るのでしょうが。どの音楽にもありうる層ではないでしょうか。
また聴きたいとは思っても金銭的にストップが掛かる事もあるかと思います。一般の方ならなおさら
自分はジャンルを広げすぎて買うに買えないというか・・・・

自分はある種のプロモーション的なものと捕らえたら良いのではないかと思います。同人誌では作品を丸ごとアップロードサイトに
流されたりしているのですが
うろ覚えですがとある作家さんは「自分の作品が知られる機会が増えるので気にしない」の様なコメントをしていました。
これも作曲者への還元になるわけではありませんが、
リスナーは作品に触れる機会が増え、作曲者は多くの人に触れてもらう機会が増えます。
利益という点から見るとこれも良くないんですが・・・



オススメしたい音楽
M3もご存知のようですので同人音楽にも詳しいのでしょうか?
東方シリーズという個人製作のシューティングゲームがあるのですが作者がプログラムから音楽からすべて手掛けておりその音楽が良いといわれています。
ゲームとしても面白いのでご覧になってみて下さい

「上海アリス幻樂団」
ttp://www16.big.or.jp/~zun/

Posted by sea at 2007年03月15日 21:26
はじめまして。
情報収集をするにはあまり適さないサイトですが(笑)、コメントありがとうございました。

ネットで音楽をタダで聴こうとする輩はどのジャンルにもいる、というのはたしかにそのとおりだと思います。決してゲームミュージックだけの問題ではないのは間違いありません。
ですが、一般的な音楽の場合「ネットで聴いて気に入ったからCD買ってみようかな」という利益創出につながる可能性が残されていますけど、ゲームミュージックの場合はそもそもCDがリリースされていること自体が少ないので、それが制作者の利益につながる可能性はより低いと言えます。

加えて、ゲームミュージックは制作者の顔が見えにくい音楽です。「○○というゲームは音楽がいい」とゲームのタイトルが有名になっても、その楽曲の制作者が誰であるかまで関心を持ってくれる人は(一部のメジャータイトルを除いて)少ないでしょう。
「これは誰が作った音楽だろう」「この人が作った楽曲は他にもないのか」というところまで皆が思い至ってくれればプロモーションとしての効果もあるでしょうが、私が知る限りにおいてそういう風潮はあまりなさそうです。

ゲームの映像がネットに流れれば、メーカー側は宣伝になるからと黙認するかもしれません。でも、そこで流れている音楽は誰が守ってくれるのでしょう。ましてや、それが音楽の方が主目的の映像だとしたら、その曲を作った人にも多少は利益が還元されてもいいのではないでしょうか?
例えば、ロックマン2の動画は「おっくせんまん」ですっかり有名になりましたが、ネット上で何万回と再生されている一方であの曲の作曲者には何の利益も入らないというのは、いささか理不尽な話なのではないかと思うのです。
(ロックマン2のサントラはネットで配信されているので、そちらの売り上げには貢献しているのかもしれませんが、実態はわかりません)

JASRACのように偏執狂的に取り締まれとまでは言いませんけど、制作者のモチベーションを高めるという意味でも、ネット上で流れるゲームミュージックから何らかの形で利益が還元される仕組みがあればいいな、と思う次第です。

>東方シリーズ
おすすめ下さってありがとうございます。
東方についてはかなり前から存在は知っていたのですが、肝心の作品を手に入れる機会がなかなか見つからず、未だに未体験のままだったりします。
評判は至るところで耳にしていますので、いつかは手をつけてみたいと思っています。
Posted by まれいん at 2007年03月16日 21:27
 こんにちは。トラバありがとうございます。

 権利関係はかなり難しい問題ですね。それに音楽の権利による収益自体、たとえ管理団体を通過できたとしても、それから販売元、ゲーム開発元を通すわけですし作曲者には手元まで行くにはあまりにも間がありすぎますし。
 ゲーム開発において社員、下請けになってしまう多くの作曲家は、音楽の権利自体メーカーが譲渡(買取)ということもあるそうですし。

 やはりここは、その音楽の作曲者の知名度を上げることで、未来の収益に繋がっていけるという広告的な役割を期待するのが現状で出来ることではないでしょうか。

 ありきたりな案かもしれませんが、とりあえず「このゲームの音楽いいな」という声が聞こえたら、知っている立場の人間が「これは○○という作曲者が作っていて、こういうCDが売っている」というアピールを知らない人にするのが、我々レベルで出来る現状での最善なことではないかと思います。(ネットでかなり話題になったものでさえ、意外とそのゲームのCDが発売を知らない人が多かったのはちょっとびっくりしました)
Posted by 中杜カズサ at 2007年03月17日 13:49
>中杜さん
こんにちは。
権利関係のフォロー、ありがとうございました。
うーん、やっぱり音楽制作側まで利益が届くようにするのは難しいんですね。せめて販売元や開発元を通さずに管理団体→制作者という形で収益が入る仕組みがあればいいんですが……理想論でしかないんでしょうか。

それにしても、権利買い上げはきついですね。そのゲームがどれだけヒットしようとも、音楽制作側には何の得にもならないのであれば、作る側も目先の利益だけを追う「納品」体質になってしまうような気がします。
(メーカーの社員であれば、ボーナス査定にプラスということもありそうですが。)

おっしゃるように、せめて作曲者の名前が知れ渡るようにフォローする、というのがゲームミュージックファンの務めなのかもしれません。地道ですけど、そういうところから始めていくしかないのでしょうね。
Posted by まれいん at 2007年03月17日 20:33
考えさせられますね、日本は昔からニュースやバラエティ番組のBGMにやたらとGMが使われてるという事もありますし。

御存知かも知れませんが、こういう事件もあります。海外のコメントが一杯付いてるのに日本語のコメントが0件なのは寂しい限り。
http://www.vorc.org/jp/20070208154302
Posted by okaz at 2007年03月18日 23:32
>okazさん
興味深い記事をご紹介下さって、ありがとうございました。この事件のことは知りませんでした。
これは実に腹立たしい話ですね。こういうことをされるとなると、やはり「ゲームミュージックの権利を守れ!」と叫んでみたくなります。
#日本人ももっと声を上げるべきですね(^^;

一方で、日本のテレビ局でもJASRAC管理下にないゲームミュージックはフリー素材扱いされているのだとか。
http://gamemusic.blog50.fc2.com/blog-entry-315.html#comment

……ああ、この問題、掘れば掘るほどやりきれなくなってきますね。
同じ音楽なのに、ゲームミュージックだからってこんなに好き勝手に使われたり流されたりしていいもんなんでしょうか。

もっとも、あちこちで使われたからこそゲームミュージックという存在がようやく世間にも知れ渡ってきた、という面もありますから、一概に規制しろとも言えないのがもどかしいところです。

マイクロソフトに任せたくはないですが(苦笑)、権利関係をまとめる何らかの管理団体があって、ゲームで使われるオリジナル楽曲はそこを通して利用する、という仕組みがそろそろ必要になってきているのかもしれませんね。
Posted by まれいん at 2007年03月20日 00:00
こんにちは。初めてコメントさせて頂きます。

私は今のままでもいいと思っています。
楽曲の権利を正しく管理しゲームを制作した会社及び作曲者に少しでも還元されるべきという考え方自体には賛同できますが
楽曲使用の申請などの煩雑さなどから番組制作者が使用を嫌いTVからGMが消えたら、
GMの地位というか知名度や一般への浸透からは遠ざかるのではないでしょうか。
(煩雑にならないような管理の仕方をしてくれる著作権団体が現れれば何の問題もありませんが

今はむしろ、使用した楽曲をきちんと明示してほしいです。
スタッフロールに曲名なりCDのタイトルなりを表示したり。
最低限番組のHPを持っているならば、いつどんな曲を使ったかはきちんと公開するべきなんじゃないかと思っています。
(それをしてる番組ってあるんでしょうか?
Posted by yasuoku at 2007年03月20日 11:46
>yasuokuさん
はじめまして。コメントありがとうございます。

テレビを見ていて「あ、この曲はあのゲームの……」と気がついても、それがどういう曲であるのかを一般に知らしめるすべがないもどかしさ、わかる気がします。

番組内の挿入歌などはエンドロールで曲名が出たりしますけど、テレビ番組でBGMの曲名まで細かに公開している事例は私が知る限りでは無さそうです。
その昔、ソニーかどこかがそういうBGMの検索サービスを行なっていたような……??

デジタルラジオだと、今流れている曲のタイトルなどがリアルタイムでわかるそうですね。地上デジタルになれば、テレビでもいずれそんなことが可能になるのかもしれません。

JASRAC管理下の楽曲は、JASRACにあらかじめ楽曲使用料を払っておくことによって放送でも自由に使える仕組みになっているようです。
(間違ってたら指摘下さい>各位)
テレビなどでゲームミュージックを使う場合でも、似たような仕組みがあればいいのではないでしょうか。さすがに1回使うごとに使用申請していたら煩雑極まりないでしょうから。
#その仕組み自体JASRACの暗黒面だという指摘もあるようですが……。

放送やネットでゲームミュージックを使用する場合は、出典元(ゲームタイトル)と曲名、作曲者名を明記することによって楽曲使用料を免除される、という仕組みならどうでしょう。
これも管理団体による監視が必要ですが、少なくとも名を知られることもないままに無制限に濫用されることはなくなるかもしれません。

うーん、音楽の権利関係はほんとに難しいですね。
素人考えでバリバリ好き勝手に言ってますけど、実現不可能なことばかりだったらすみません。
Posted by まれいん at 2007年03月21日 00:55
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